2024.08.21
【坂倉準三の名建築】旧羽島市庁舎
2021年まで使用されていた旧羽島庁舎が老朽化などを理由に羽島市が解体する事が決まりました。
解体を悲しみ、反対する声もあるようです。
【話題の旧羽島庁舎】
設計は羽島市出身の坂倉準三(さかくらじゅんぞう)氏が担当しました
1959年(昭和34年)竣工の地上4階建、
市役所としての機能だけでなく、小公民館・市立図書館・消防用事務所など複数の機能が入る複合施設。
1960年(昭和35年) 『日本建築学会賞』受賞
2階へと続くスロープと茶色いタイル壁が特長的な建物です。
岐阜市のお隣、羽島市の庁舎が日本建築学会賞を受賞、
さらに設計した坂倉準三氏が羽島市出身で身近に感じました。
【坂倉準三氏とは】
Sakakura Associates 坂倉建築研究所より引用
坂倉準三氏(1901-1969) 岐阜県羽島市出身
明治から昭和にかけて活躍した建築家。
モダニズム建築の巨匠と呼ばれ、近代建築の巨匠ル・コルビュジエの弟子として有名。
モダニズム建築:きらびやかな装飾を無くし機能性を重視したシンプルな建物を目指した建築
直線と平面で構成されたシンプルなデザイン、新しい素材や技術の使用(コンクリート・ガラス)が特長
【坂倉準三氏の代表作】
パリ万博 日本館
竣工 1937年 フランス パリ
日本の伝統的建築の特徴とモタニズムの理念を統合した設計で建築部門のグランプリを受賞。
現代的なデザインで80年以上前に建てられたとは思えません。
鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム(旧 神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館)
竣工 1951年 神奈川県鎌倉市
https://www.sakakura.co.jp/ より引用
日本最古の国立近代美術館「神奈川県立近代美術館」として開館。
現在「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」として鎌倉の歴史や文化を紹介する施設。
室内外を流動的に結び付け開放的で豊かな空間を実現しています
2020年度に国の重要文化財に指定されました。
岐阜市民会館
竣工 1967年 岐阜県岐阜市
岐阜市の文化芸術拠点として使用する多目的施設。
外観は1階部分は全面ガラス張り、上部は円筒を」斜めに切ったようなフィルムが特徴な建物
外観を特徴づけるタイル仕上げは大仏タイルと呼ばれています。
【まとめ】
坂倉準三氏の建築は古さを感じにくく、外と中を流動的に結び付ける設計が特徴でした。
解体が決定した旧羽島市役所だけでなく、現在も使用されている岐阜市民会館も坂倉氏の設計。
岐阜市と身近な建物で親近感がわきました。