2022.10.06
自然を感じる庭のある暮らし 昔ながらの「坪庭」を現代に取り入れます
京都の町家には坪庭という小さな庭がありました。
この坪庭に注目してみたいと思います。
坪庭とは
周りを塀や垣根で囲われた小規模な和風庭のとこです。現代でいう中庭です。
発祥は間口が狭く奥行きの長い構造だった京都の町家であるとされています。
奥行きのある町家では採光や通風を確保し建物の機能面においても坪庭が重要な役割を果たしていました。
坪庭(中庭)の特徴をご紹介します
【坪庭(中庭)は小さな贅沢空間】
坪庭(中庭)のメリット
・明かりを取り入れやすい
庭の周囲に壁面が増えることで窓や縁側の空間などの開放空間をつくることができます。坪庭を中心に家の中へ様々な方向から明かりを取り入れやすくなります。
・通気性が良い
小さな庭として機能すれば窓が増えるので通気性や採光の点でメリットが得られます
・開放感がある
坪庭には狭小空間を広く見せる効果が期待できます。部屋の延長として坪庭が目に入ることで視覚的な広がりを感じます。
・景色を楽しめる
四季折々の草木や花を植えることで、季節を感じることができます。好みにあったイメージ空間をつくることで癒しのスペースになります。
・子供の安全な遊び場にできる
坪庭を囲んで部屋の配置をレイアウトすればコミュニケーションが取りやすくなります。
外で遊ぶより安全です。夏にはプールを置いたり、バーベキューをしたり家のなかで遊べる場所スペースになります。
坪庭(中庭)のデメリット
・居住部分が狭くなる
坪庭のためのスペースが必要になり、他のスペースが狭くなります
・断熱性が悪くなる
坪庭をつくると大きな開口部をつくることになります。壁より窓の方が熱損失が大きく、断熱性を考えた上で設計すると良いです
・手入れの手間がかかる
坪庭は小さなスペースですが草木や植栽の管理が必要です。坪庭の管理や維持にお金がかかるので使い方に合わせてできるだけ管理に手間のかからない工夫をすると良いです。
・費用がかかる
中庭のような形で坪庭をつくると外壁面が増え、建物の構造が複雑化します。家の強度や断熱性・採光性を調整する窓やサッシを設置する必要があります。
中庭の形はおもに3つ
【ロの字型】
中庭を中央にして「口」の字型に家を囲みます。
中庭を四方囲んでいるので完全にプライベートな中庭になります。
家のどこにいても中庭から光が入るので明るい空間ができます。
庭から外部へでることができないので、子供やペットが安心して遊ばせることができます◎
中庭を挟んで向かい合っている部屋に移動したいときはぐるりと周るか、中庭を突っ切るかのどちらかになります。
【コの字型】
家を「コ」の字型につくることで中庭スペースを確保します。
庭を三方から囲む形になり、完全に囲みません。近隣の視線を遮りながらも、開放感がある庭になります。
外から中庭に入ることができ、日当たりも風あたりも良いので、ガーデニングや家庭菜園がしたい人におすすめです。
【Lの字型】
建物を「L」の字型につくり、中庭の2面が建物に面しています。
他の中庭に比べて外と面する部分が大きいため開放感が得られます。
外から中庭が見えてしまうこともあるので程よい開放感がほしい人におすすめです。
コの字型やロの字型に比べ中庭と外壁が面する部分が少ない為、建築費用を抑えられます。
まとめ
町家の坪庭を現代に活かした中庭。庭は憧れの開放感のある贅沢空間。
家づくりの参考にしてくださいね。