2023.09.08
【和室の落ち着きは低さが生み出す】
障子から入る陽の光に、畳のにおい、和室で過ごす時間はなんだか時間がゆったり流れるように感じますね。
和室がもたらしてくれる落ち着きや心地よさ、実は和室ならではの“低さ“が関係しているのです。
昔ながらの和室はなぜ天井が低い?
近年、洋和室の天井の高さは2m50㎝程が一般的となっていますが、日本の伝統的な和室の天井は2m20~30㎝。
床座が基本姿勢の和室では、目線の高さが必然的に低くなるため天井高や建具などが他の空間よりも低めに設定されているのです。
和室に設ける建具の特徴
落ち着いた和室づくりのポイントは障子や襖などの建具の高さにもあります。
はきだし窓など建具の高さは1m80㎝程度が目安となるため、窓枠と天井とのバランスが良くすっきりとした印象に。
そこに掛け軸や季節の花を飾ると、パッと見た時に「美しい」と感じる空間が生まれます。
四季のある日本ならではの素敵な時間を過ごせそうですね。
落ち着いた和室づくりのポイント
とはいえ、家全体の天井を低くすることは難しい、と感じる方は多いと思います。
そこで比較的取り入れやすい和室づくりの工夫をご紹介したいと思います。
・小上りとして設ける
天井高の調整と合わせて、小上り下部は収納としても利用ができるのが魅力。
お子様の遊び場、横になって少しお昼寝…など多目的に使える畳スペースになります。
・天井クロスの色を暗めにする
室内にほどよく圧迫感がでて、落ち着いた雰囲気に。
また、照明の位置や垂壁の高さを工夫して天井付近を明るくしすぎないことでも、陰影がつき静かで過ごしやすい雰囲気を作ることができます。
まとめ
天井が高いお部屋は、広々として開放感があるのが魅力です。
一方で、床に近い高さで座る和室は、あえて天井を低くすることでバランスがよくなり過ごしやすさと落ち着きをもたらせてくれます。
お部屋の用途や求める雰囲気に合わせて、天井や床の高さに変化をつけることで空間の広がり方も変わってくるのですね。